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paint tool SAI、久々に更新キましたね。
アップデート前よりも若干だけ動作が軽くなったような気がするので個人的にはかなりグッドな更新でした。

自分は印刷用の同人漫画描くときは(というかイラスト全般か)アナログの道具を用いずに全てをデジタルでやっちゃうんですけど、SAIはペンタブ動かす上で非常にオレ好みな動作してくれるんで自分にとっては欠かせないツールなんですよ。
ただ、印刷屋指定の600dpiのデータ用意するとなったら途中で「メモリ足んないっす」みたいなダイアログ出てきて1ページまるまる描くにはちょっと不便。
なので1コマ描いてはあとからAdobe Illustratorで配置…みたいな作業をしてました。
動作軽くなったし1ページまるまる描けたらなー、出来ればのちの作業の効率あげられるようなテンプレート作れたらなー、とあれこれやっておりまして、ちょっと便利なテンプレートできたんでそれを公開しようかなーと思った次第です。
SAIで漫画描いてみたい人へ何かの参考になればと、下記に綴りたいと思います。


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道具を用意しよう

なんといっても道具がなければ始まりませんね。
以下のソフトウェアを用意しよう!

Adobe Illustrator
いきなり用意するのが敷居高いソフトになっちゃいますな。。。Adobe帝国社がDTP業界でかれこれン十年ブイブイ言わせてるベクタ型ドローソフト。絵を描くソフトというより、マル・サンカク・シカクを超正確な大きさと位置で設計できるソフトという解釈の方が近いかも。その気になれば小型カテーテルから大型マンションまで設計できます。

paint tool SAI
言わずと知れたペイントツールの決定版。使いやすさを求めたがゆえに機能的には足りない部分が多いのですが、それでも5000円のバリューは釣り返ってくるくらい素晴らしいソフト。

SAI FON
↑そんなSAIで直線引いたり写植したりするのに便利なソフト。SAIの足りない部分を補助するのに必要不可欠。これがフリーソフトとは…、作者さんに多謝!

というコチラの3つのソフトウェアをご用意下さい。







テンプレートを作ろう

livedoorブログでzipのアップロードできたらこんなテンプレートのデータくらい余裕で配布するんですけどね。。。そうなればAdobe Illustratorの用意とかもせんで済むのに。
というわけでAdobe Illustratorを使ってテンプレートを作ってみましょう。
オフセやオンデマの印刷向けに作るデータ…を作るためのデータです。


B5より四方3mm大きい長方形を書こう

a
オフセやオンデマ印刷するときは「仕上がりサイズより四方3mm大きいものを用意」というのが基本ですな。
というわけでB5の四方3mm伸びたサイズ、188mm*263mmの長方形を描きましょう。


B5のサイズの長方形を用意するために

b
さっき用意した長方形を選択しながらの状態で、メニューのオブジェクトから「パス→パスのオフセット」そして「-3mm」を入力。




塗り足し分の枠を作成

c
さっき用意した2つの長方形を選択しながらパスファインダで「中マド」。
この工程で塗り足し3mmのための枠ができました。


コマとして描きたい部分

d
のちに「コマとして描きたい部分」とする範囲を作りましょう。152mm*233mmで長方形を。
「コマとして描きたい部分」と呼ぶのがうっといので以降はこれを「線選択ベース」と呼ぶことにしましょう。


描きたい範囲の位置を指定

e
前の工程で作った3mmの塗り足し枠と線選択ベースの長方形の2つを選択し、「水平方向左に整列」と「垂直方向上に整列」。
そのあとはこう、

f
メニューからオブジェクト→変形→移動で、「水平移動距離・15mm」「垂直移動距離・-15mm」と入力。
というこちらの工程で「線選択ベース」は個人的にイイカンジの位置に配置されました。


のちにコマ間のスペースを取るためのオブジェクトを描く

g
漫画のコマにはコマとコマの間にスペースがありますね。横方向に隣合うコマには3mmのスペース、縦方向に隣合うコマには5mmのスペースが。のちにそれらを選択しやすくなるようなオブジェクトを用意しましょう。
「3mm*245mm(横3mmと命名)」と「160mm*5mm(縦5mmと命名)」を作成。
これら2つは線選択ベースとは違う色で作成して下さい。図ではスカイブルーですが緑とか黄色とか全く違う色でもいいくらいかも。


出来ちゃった…、みたいなの

h
ハイ、以上でAdobe Illustratorでの作業は終了です。
データ書き出しでファイルの種類は「PSD形式」。カラーモードは「RGB」。解像度は「600dpi」。「レイヤー保持」にチェック。


今作ったデータをSAIで開こう

i
今作ったデータをSAIで開いてみましょう。
Adobe Illustratorのバージョンによってはそれぞれのオブジェクトがレイヤーの別れた状態で保存できたりするみたいだけど、オレの環境は無理だった。
選択ツールとかカット&ペーストとかを駆使してそれぞれを個別のレイヤーとして作成。
レイヤー名を「塗り足し3mm」「横3mm」「縦5mm」「線選択ベース」とかにして*.sai形式で保存!
というわけでこれにてテンプレートが完成!!







実践:SAIで漫画を描く「コマを引く」

今作ったSAIのテンプレデータ、結局どうやって使うのよ? とお思いの方も多いと思います。
というわけで自分はこうやって使ってますよーというのを使いながらご紹介。

(参考)
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おいおい、さっきと画面が違うじゃねーか、ザケんなてめー。
…とお怒りの方も多いかと思います。。。本当ゴメンナサイ。もともとどっかに公開するつもりで作ってないから自分個人がプロトタイプを重ねて色々やって今があるということなのです。。。
といかこの画面を作るための説明は、ちょっと無理。ルーラーの作り方とかカラーバーの作り方とか説明のしようがない。
下記の説明ではさっき作った「塗り足し3mm」「横3mm」「縦5mm」「線選択ベース」くらいしか使わないので、他の画面内の情報は無視してくださいな。
では実践。


ネームを切ろう! テキトーに切ろう!!

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新規レイヤーに適当にネームを描きましょう。もー10秒くらいで。
どんな大きさのコマにしたいのかを適当に考えます。


ここで役立つ「横3mm」「縦5mm」のレイヤー

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「横3mm」「縦5mm」のレイヤーがここで役立ちます。
移動ツールや変形ツールやレイヤーコピーなどを駆使してコマを仕切っていきましょう。
その際、スペーサーはキャンバスからハミ出るほどの大きさや位置で配置しましょう。


「線選択ベース」と「横3mm」「縦5mm」の合体!

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画面見にくかったんで「線選択ベース」は非表示にしてたんですけど、それを表示。

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1コマ目と4コマ目は塗り足しからハミ出るほどでっかく描きたかったのではみ出るように指定できるようにする。
鉛筆ツールとか選択と塗りつぶしとかで、キャンバスからハミ出る勢いで塗り。

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そして…「横3mm」「縦5mm」「線選択ベース」を思い切って合ッッッッッッ体!!


いよいよコマを描く

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自動選択ツールでコマの内側を選択してやる。
ここでSAIから別のソフトへ切り替えます。

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ここで登場の「SAI FON」。コイツをたち上げると…

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こんな画面になると思います。
左のコマンドからその他を選択。
選択範囲の中央新規レイヤー9pix境界線を描画しましょう。
(9pixの線は個人的な好みですな。お好みの太さで線を引きましょう。)


出来ちゃった…、みたいなの

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すると驚くほど正確かつ素速くコマの線が描画できる、というわけなのです…!







実践:SAIで漫画を描く「コマ内に漫画を描く」

いやー、お疲れ様でした。
いやいや、コマに線引いただけで疲れてちゃダメですよ! 漫画は描いてナンボ、このまま出稿しちゃうと白紙にコマの線だけが引かれた紙面になっちゃう。
そんな描いてナンボの漫画、コマの線からはみ出ないように気付けて描くのは結構気を使う。
3mmとか5mmとか隣のコマに余白あるならハミ出る勢いで描いてもいいのに、煩わしい。
という煩わしさを解消するために便利な機能、マスクを使ってみましょう。
便利な上に超簡単。


線選と拡張と選択

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自動選択ツールで今描いた線のコマの内側を選択。

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メニューから選択→選択領域を1ピクセル拡張


マスク!

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フォルダのマークの「新規レイヤーセット」を作って…

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マスクのボタンを押せば、今の選択した部分のみに描画が乗るようなマスクが生成できます!
緑で書いた「ためしがき」の文字がコマ間のスペースにかぶらず描画できてますね。
チョー便利。


17(編集画面)

00(漫画のみの表示)

というわけでそんなデータで作った漫画がこんな感じっす。
こちらの写植はSAI FONでやっとりますね。
前まではAdobe Illustratorで写植してたんですけど、それを立ち上げずに出来るのはなかなか便利。
動作が軽くなって、これの作業してる時はメモリの警告でなくてスススとスムーズに作業できました。


という記事を、クリエイターさんの何かの参考になればと、記したいと思います。
さあ、この夏休みの宿題はSAIで漫画づくりにチャレンジだよ★


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とはいうものの、描くには描いたけど、SAIはグレースケールとCMYKのデータ取り扱えねーんだよな。
PSDで書き出して印刷屋に持って行っても「RGBは取り扱えまへん」とか言われて門前払い食らうか。。。
そのままグレイスケールに変換して印刷してくれてもええねんけどな。。。
時期SAIではグレースケールとCMYKに対応してくれ、頼むから。